信貴山 大窪寺 令和元年6月20日「近隣に咲く花」

ベチュニア「衝羽根朝顔」ツクバネアサガオ

目:ナス目 科名:ナス科 属名:ソバネアサガオ属「ベチュニア属」

学名:Pentunia   Hybrida 和名:ツクバネアサガオ  原産地:南米

開花期:3~11月  草丈:10~30㎝

学名の「Pentunia」は、ブラジル先住民の言葉では「たばこ」と言う意味だそうです。

1767年にフランスのコンメルソンがウルグアイで本種の白い花を発見したのが

ヨーロッパに伝わったのが始まりだそうです。1831年にはブラジルから赤紫の花が

ヨーロッパに齎された。両者は交配され、其れが現在のベチュニアの元となる「ベチュニア

・ビィオラセラ」である。その後、一層に品種改良が加えられて花の大きさは、大輪・中輪

小輪、花の色は赤・赤紫・紫・青紫・白・白黄・桃・複色など多彩で「禹長春」に寄って八重

咲きのものが作出されるなど、花容がバラエティに富むものになった。また、当初は草丈が

高く花数が少なかったものも、匍匐性で花数が多くなりました。日本には「ツクバネアサガオ」

の名称で渡来し、寒さに弱いため専ら一年草として扱われた。雨で育成不良や、枯れる事が

多々有る事から人気は、今一つであったがサントリーが日本の気候に適応出来る様に、品

種改良した「サフィニア」を出してから、人気が高まり園芸各社で品種改良が進み一層の

多様性を深めている。現在では、特に日本に於いては品種改良の競争がもっとも激しいと

言われる種です。1985年頃からは品種改良に、匍匐性のベチュニア・アルチプラーナなど

を利用する事で、それまで実生系「種から育てる系統」のみだったベチュニアに栄養系「さし

芽でふやせる系統」の園芸品種が誕生しました。

信貴山 大窪寺 令和元年6月19日

ナンテン「南天」

科名:メギ科 属名:ナンテン属 学名:Nadina    Domestica

英名:Heavenly     Bamboo    ・Nandina  目名:キンポウゲ目

原産地:日本・中国  開花期:6~7月 11~12月に実を付ける。

花色:白・黄・赤  別名:ナツテン・ナルテン・南天燭・南天竹・等

ナンテンは秋になると真っ赤な実を付けますが、この実を煎じて飲むと「咳止め」に

効果が有ります。「のど飴」の原料として、使われているのは御存知のことでしょう。

また葉には、殺菌作用・防腐の作用があり、乾燥させてお茶として飲む事でものもらい

や血尿に効果が有ると言われています。さらに、樹皮・根皮は胃腸病・眼病に効果的で

昔から薬用の木として重宝されて来ました。但し、葉には有毒成分となるアルカロイド

が含まれております。特に咳を止める作用が有るドメスチンというアルカロイドは、多量に

摂取すると知覚や運動神経の麻痺を、引き起こす恐れが有ります。医学的知識の無い方が

安易に扱うのは、危険なので注意が必要との事です。ナンテンは江戸時代にから品種改良

が行われて100種を超える、園芸品種が生み出されました。現在では「古典園芸植物」とし

て40種ほどが、保存栽培されているそうであります。ナンテンは縁起が良い木では有名で

すが、可憐な花にも魅力があり膨らんだ蕾が次々と割れて、中から花が飛び出してくるよう

に開花してゆきます。

 

信貴山 大窪寺 令和元年6月18日「泰山木.7」

タイサンボク「泰山木」

今が見頃とばかりに、沢山のタイサンボクの花が咲き誇っています。

開花の確認が、5月24日でしたが、そろそろ1ヶ月に成ろうとしています。

毎年の様に、辺り一面に漂う甘い香りが何とも言えません。

泰山木の名前の由来は、北米が原産地で今でも、アメリカ南部を象徴する樹木です。

先述しておりますが、ミシシッピ州とルイジアナ州の州花に指定されております。

日本に伝えたのも、明治の初頭に来日した当時のアメリカ大統領であるブラント夫妻

で、大統領夫人が植樹された木が、日本の最初の泰山木となりました。英語ではサザン・

マグノリアと呼ばれています。科の学名にもなっている、Magnolia-マグノリアと言う名は

フランスの植物学者ピエール・マニョル氏の名前にちなんだものです。

泰山木と言う名前は、其の花や木が大きく立派な事から、中国の「泰山」になぞられた為と

言われています。また、大きな杯の様な形の花を咲かせるため、「大盃木」と言われていた

のが転訛したと言う説もあります。

信貴山 大窪寺 令和元年6月17日「泰山木.6」

タイサンボク「泰山木」

タイサンボクの花言葉は、「前途洋々」「希望に満ち溢れている」「威厳」

「壮麗」「真の輝き」「自然の愛情」が有ります。

泰山木は樹高が高く、その梢の枝先に大ぶりの白い花が上向きに天を向いて

咲きます。「前途洋々」「希望に満ち溢れている」という花言葉は、その様子

を表しているようです。「壮麗」「威厳」「真の輝き」は、泰山木の花のイメ

ージを表現してようです。厚みのある花弁は、1枚1枚が手のひらより大きく

輝く様な白色です。その花弁が集まった花は、馥郁とした香りを放ちます。

花は、6枚の花弁と3枚の萼片からなっいますが、どちらも白いので見分けが

つかず、9枚の花弁があるように見えます。ただ、花弁の数は一定しておらず

9枚~12枚のものもあります。花弁の真ん中に、沢山の雄蕊と雌蕊が円錐状

についています。開花すると40~60㎝ほどの大きさになる花は、日本の樹木

の花としては、最大級です。美しいのですが、圧倒される大きさです。

信貴山 大窪寺 令和元年6月16日

テッポウユリ「鉄砲百合」

科名:ユリ科  属名:ユリ属  学名:Lilium     Longiflorum

英名:Easter   Lily   原産地:日本・台湾  開花期:6月~8月

花色:白・赤・ピンク・オレンジ・黄・複色  形態:多年草

園芸分類:球根  別名:琉球百合「リュウキュウユリ」

テッポウユリはラッパの様な形をした、沖縄などの南西諸島に分布しているユリの

仲間です。昔、ヨーロッパでは、クリスマスやイースターなどの儀式に聖母のユリ

としてマドンナリリーが使われていましたが、日本のテッポウユリが入ると純白の

美しさと育て易さから、代わってこの花が使われるようになりました。

名前の由来は、昔、使われたラッパ銃に姿が似ている事から、この名前が使われた

と言われているそうです。花の芳香は丁度良い強さで、甘くて良い香りがします。

江戸時代の川柳に「ゆりの花あやまるように咲いている」と言う一句があります。

是は庭に植えたヤマユリが、花の重みで茎が曲がって咲いている様子を見て詠んだ

物ではないでしょうか? 他にも「鬼もあり姫もありけりゆりの花」と言う一句も

あり、昔から色々なゆりが作られていたことが覗えます。また、元禄時代には武士

町人を問わずに、日本中がユリの栽培に夢中になっていた記録も残っており、日本人

は古くから山野に咲くユリを庭に植えて楽しんでいたことが分かります。

自生種のユリは世界の北半球にのみ、約130種類が分布しております。そのうち

日本には、15種類が分布しております。その中でも、日本固有の乙女ユリ・ササユリ

ヤマユリなどは香りが有り、白色や桃色系の花色が有ります。

信貴山 大窪寺 令和元年6月15日

カモガヤ

分類:維管束植物、単子葉植物、イネ科  学名:Dactylis    Glomerata

英名:Orchardgrass .  Cocksfoot  和名:カモガヤ・オーチャードグラス

分布:地中海~西アジア 繁殖期:7月~8月 国内分布:北海道~九州

侵入経路:牧草として導入 侵入時期:1,860年代に輸入

カモガヤは多年草で茎は高さ、0,5~1,2mで葉身は10~40㎝で

幅は5~14㎜で、葉鞘は背で二つ折りになっている。やや扁平であり

花序は高さ10~30㎝である。緑色にて枝は節に単生し長さ5~9㎜で

3~6の小花からなっている。カモガヤは花粉症の、一種として知られる。

スギやヒノキ花粉の様な、背の高い樹木の花粉は風に乗って数十㎞以上も

遠くに迄、飛散します。背丈の低いイネ科植物の花粉は数mから数百mしか

飛散しません。スギやヒノキ花粉からは中々逃げ切れませんが、イネ科花粉

からはうまく逃げ切る事が出来そうです。と言う意味では、イネ科花粉は

スギやヒノキ花粉より抗原回避の効果が高い花粉症と言えます。

信貴山 大窪寺 令和元年6月14日

シコンノボタン「紫紺野牡丹」

科名:ノボタン科  属名:シコンノボタン属  学名:Tiboachina   urvilleana

英名:Glirybush      Spider  Flower 原産地:中~南アメリカ 開花期7月~11月

花色:紫・ピンク   別名:野牡丹「ノボタン」 樹高:1~3m

シコンノボタンは、ブラジルを中心として中~南アメリカを原産とする、常緑性の

低木です。一般にはノボタン「野牡丹」の名前で流通しています。熱帯地域原産

にもかかわらず、寒さに強く丈夫なことから、秋~冬にかけて庭を彩ってくれる

存在として親しまれています。樹高は1~3mほどに成長して、ビロードの様な

手触りをした、卵型の葉っぱを互い違いに生やします。そして、夏から冬にかけ

紫の花を咲かせます。名前の「紫紺」とは、濃い紫色のことで花弁からきています。

花弁が5枚付いており、中心にいくつもの雄蕊が突き出ているのが、特徴です。

ひとつひとつの花は、1日で枯れてしまいますが、次々と花が咲き長く開花期を

楽しむ事ができます。シコンノボタンの品種としては「コート・ダジュール」が

一般によく流通しているようです。これ以外にも、中心部が白く花色が紫から

ピンクへと変化する「リトルエンジェル」やその枝代わり品種で葉っぱに白い斑

が入る「オータムカーニバル」という品種も人気があるそうです。

信貴山 大窪寺 令和元年6月13日

クロッサンドラの蜜を求めてクロアゲハ「黒揚羽」

科名:キツネノマゴ科  属名:ヘリトリオシベ属  学名:Crossandra

英名:Summer    Candle  原産地:熱帯アフリカ~アラビア、マダガスタル

草丈:30㎝~50㎝  形態:地木 開花期:5月~10月 別名:クロサンドラ・

ジョウゴバナ「上戸花・漏斗花」

クッサンドラは小型の鉢物として人気が有り、花の開花期が長く、夏の寄せ植え

等にも最適です。多く流通しているのは花が鮮やかなオレンジ色の品種で、花穂

の先に咲く様子はロウソクの様にもたとえられ、濃い艶のある葉と対比して美しい。

英名であるサマーキャンドル「夏のロウソク」と言う名前の由来は、緑色の苞を

連ねた花穂の周りに炎の様な、オレンジ色の花が咲く事に由来しているそうです。

クロアゲハ「黒揚羽」

科名:アゲハチョウ科  属名:アゲハチョウ属  学名:Papilio    Protenor

英名:Spangle.   成虫の前翅長は45~70㎜ほどあり翅の表裏とも黒色で

裏面は後翅外緑に赤班が並び、日本産の物には尾状突起が有る。オスは後翅前緑

に白い帯が見られます。この白い帯は時間とともに黄味を帯びます。春型は夏型

よりも小形で赤班が発達し、色もより濃い黒色をしている。4月~8月頃までに

年に2~4回発生するそうです。

信貴山 大窪寺 令和元年6月12日

アゲハチョウ「ナミアゲハ」の吸水 

科名:アゲハチョウ科 英名:Swallowtail   buttersly  分布:北・本州・四国・九州・沖縄

全世界の熱帯から温帯にかけて分布し、島嶼部にも勢力を広げている。日本に生息してい

ないオーストラリア産のオオルリアゲハや北アメリカ産のイースタン・タイガー・スワロ

ーテイルなど、世界各地に特徴的な種が生息している。英名:Swallowtailが表すように

ナミアゲハやキアゲハなど後翅に尾状突起をもつ種が知られているが、ナガサキアゲハや

オナシアゲハのように突起のない種も多く、その有無は必ずしも属の特徴とはならない。

熱帯では成虫が通年発生するが、温帯では冬季に発生が止まる事が多いそうです。

日本では「春型」「夏型」の差異が知られ、夏型の方が大型で、色彩が濃く、文様が明瞭に

なる傾向にあるようです。幼虫の食草はミカン科やセリ科などが多く、その刺激成分を集積

して、頭頂の臭角から発して天敵を撃退する。二齢幼虫から四齢幼虫にかけては、鳥の糞

そっくりの姿をしている物や派手な班模様をしている物が有り、終齢幼虫はヘビに似た姿に

変わるものが知られています。蛹を経て成虫へと羽化し、日本では発生が止まる冬の休眠

期を蛹で過ごす。成虫は食草に近い処で生息し、盛んにさまざまの花の蜜を吸い、水たまり

では羽ばたきながら吸水する行動が見られます。日本ではなじみ深いチョウとして親しまれ

る一方、生息種の多くが農産物であるミカン科・セリ科を食草とする為、農業従事者にとっ

ては害虫として扱われる「例えば、ナミアゲハはウンシュウミカンやサンショウ、シロオビ

アゲハはシークワーサー、キアゲハはニンジンやパセリ」カラスアゲハやクロアゲハは栽培

種を好まず、野生種を食草として好む。

 

信貴山 大窪寺 令和元年6月11日「泰山木.5」

タイサンボク「泰山木」

分類:モクレン科  モクレン属  学名:Magnokia   Grandiflona

英名:Soathern   magnolia     別名:白蓮木「ハクレンボク」マグノリア

漢名:コウギョクラン「廣玉蘭」  古名説:大盞木

タイサンボクは一億年も形を変えていない、モクレンやコブシの仲間です。

タイサンボクのグループは被子植物が生まれた初期にできた「花」の形を

今も残しています。花が生まれた初期にはまだ、蝶や蜂といった「花」の

存在を前提とした、昆虫がいないので花粉の運搬や受粉は「甲虫(カナウン

やカブトムシ的な)」や「ハエ」が行っていました。その為に、甲虫が乗っ

ても花が折れないように上向きに花が咲き、花の根元がしっかりしています。

タイサンボクは元々亜熱帯植物なので、夏の暑さには強いが寒さには若干

弱く関東北部では冬には、落葉する場合もあるそうです。

沢山、咲いて辺り一面に漂うマグノリアの甘酸っぱい香りが広がっています。