正月元旦から三日間もしくは一週間、寺院で国家の繁栄、五穀豊穣を祈る法会です。「修正会」は中国に始まった行事、日本では神護景雲二年(768)に始めて行ったという。奈良時代に仏教の護国的性格が強まり「大般若経転読」などの功徳によって、新年の国家安泰、万民豊楽を願ったのです。 奈良の七大寺をはじめ全国の国分寺で実施され、この法会が宮廷に持ち込まれ、一日から七日迄(前七という)は神事を、八日から十四迄(後七日という)は仏事を行う事になった。その仏事法要を「後七日御修法」といい、現在でも京都の東寺や比叡山延暦寺などで、非公開で行われている。 また奈良の法隆寺では、正月八日から七日七夜にわたって古式豊かな 「吉祥悔過の法要」(旧年の罪過を懺悔し、新年の幸福を祈る法要)が現在も続けられている。東大寺では正月七日に「十一面悔過」(十一面観音の前で罪過を懺悔する儀式)薬師寺では十四日に「吉祥会」(新年の多幸を祈る法要)が営まれる。この「悔過」という行事は「トガをクイル」という仏教の考え方だけでなく、日本古来の穢れをはらうという神道の祭礼とが習合したのであろう。こうした正月の法会は、付随的にさまざまな民間行事を生み出した。 大阪、天王寺の「ドヤドヤ」は修正会結願日の一月十四日に「厄除け札」を近郷の若者達がふんどし一つで奪い合う