ここ数年前から、目を覆いたくなる凄惨な事件や事故が以前にも増して多くなっています。また、自分自身で命を絶つ自殺者の増加・心が痛くなるニュースや記事も哀れなほど多く溢れている現在ですが、これも政治や100年に1回という世界的な不況が一因といえるかも分かりません。さまざまな要因からそういった現象が起きているのは事実ですが、小生が思います大きな原因の一つは人から人への仏の教えが近年とくに希薄になっているように思えてなりません。その教えの一つで、命の尊さの意味を今一度考えてみてはどうでしょうか。よく、命は自分のものだと言っている人が多いと聞きますが本当にそうでしょうか?自分のものならば自由になるでしょう。しかし、なりたくない病に苦しみ、職も人間関係また家庭も何一つとして思い通りになることはありません。生まれてくる人種・国・地域も時代すらも自分の思い通りになりません。自分のものだと考える心に苦しみの種があるのでしょう。私たちは必ず親から命をいただきます。親もまた、その親から命をいただきます。「私」一人の命は1つだけかもしれません。しかし、その1つの命がこの世に生まれるために、無数の命が存在していたのです。そして、そのいただいた命を繋ぐために、多くの命が今を生きているのです。私たちに命を授けてくれたご先祖さまに感謝し祈りを捧げることは、それはそのまま命への感謝となるのではないでしょうか。そうすれば、自分の命、家族の命、他人の命、そして万物の命について考えられる様な素直な心をもって「命」の奥深さを感じていただけるのではないでしょうか。( 合掌 )